6.21 みちくさ部はケイワタバコに染まる日

6.21 みちくさ部はケイワタバコに染まる日

みちくさ部長・清右衛門です。
いよいよ鎌倉がアジサイ狂想曲に包まれる6月がやってきました。
折しも夏至を迎え、植物の成長もピークとなります。

どんなに世間がアジサイに熱くなっていても、
静かに崖を飾る我らがケイワタバコは今年も美しく超然としています。

15062101.jpg

例えば、ガイドブックなどでは「イワタバコ」と表記されることが多く、
お寺さんなどでも「岩煙草」と札が下がっていたりしますが、
鎌倉に自生するのは「毛」岩煙草の方です。

そんな細かいことはいいじゃないかと言われそうですが、さにあらず。
ただのイワタバコに比べ、花茎に毛が多く、葉の形も弓なりになって優美です。
また、花の色もより濃厚な紫。
これを一緒にされてしまうと、この独特の鎌倉にふさわしい紫が
イワタバコの寝ぼけた薄い紫と一緒くたになってしまうわけなのです。
(イワタバコよ、ごめん。君に恨みはないのだ)

さあ、そんな部長の熱すぎる思いを知る由もなく、
ケイワタバコを愛でようとたくさんの方にお越しいただきました。

15062102.jpg


お天気は、小雨がしのつく生憎のお天気...
まずは室内で、たからの庭の由来や鎌倉の地質についてお話をして、
雨が弱まるのを待ちます。

ひとしきり話したところでようやく雨脚が穏やかに...
さっそく傘を持ってでかけます。

さあ、ひとつ大きな問題は「ケイワタバコに染まる」と豪語しておきながら
今年の早い開花ペースにやられ、壁一面の開花にはちょっと遅い...
いきおい、主役までの間にいろいろ他の植物もご覧いただくことになります。

先月に引き続いて足元に目を向けると、こんなものが。
風車のような花と、花火のような花です。

15062103.jpg


風車はテイカカズラで、崖の上の木に絡み付いて咲いていました。
花火はやっぱり崖の上に咲いていたアカメガシワの木の花です。

どちらも近づいてみることはできませんが、
落とし物でその存在を発見することができます。

そうやって庭でうろうろしていると、
どこからともなく甘い香りが漂ってきます。
そう、ケイワタバコについては前倒しで困ったのですが、
代わりに、あの花が堂々とした姿を見せてくれていました。

15062104.jpg

斜面の下から、ちらっと見えた!

15062105.jpg

よし、坂をのぼって近づいてみよう!

15062106.jpg

どどーーーーん! 馥郁たる香りの主は神奈川県の花、ヤマユリでした。
距離にして10mほど遠くまで届く強い香りは、
今や世界中の人を虜にしています。

2、3年前から咲くようになったここのヤマユリも
年々花の数が増えてきています。
もっと数が増えたら、さらに遠くまで香りが届くことでしょう。

豪華なヤマユリを前にして、皆さん撮影タイムです。

15062107.jpg

ヤマユリの香りを堪能したら、次はアジサイです。
斜に構えて「アジサイなんて」とぶつくさ言ってる部長ですが、
実を言うとアジサイも大好きです(笑)
あまりにみんなもてはやすので素直になれないだけなのでした。

たからの庭のアジサイは、淡い紫がとても上品。
七変化の異名の通り、淡い緑から、白、紫と色が変化していきます。

15062108.jpg


アジサイの原種・ガクアジサイは、伊豆半島、三浦半島、伊豆諸島などの
ごくごく一部に自生する世界的にも貴重な種類。
ヤマユリといい、アジサイといい、
神奈川の植物は世界を動かしたと言えるでしょう。

さて、お待ちかねのケイワタバコ、ちょっとだけ咲いているのを
ピンポイントでご案内です。
雨が降ってあいにくではありますが、濡れそぼった姿はまた格別。
晴れの日に見るよりも、雨の日のほうがより輝いて見える気がします。

15062109.jpg


終わりかけゆえに、あちこちに落花がちらほら。
まるでお星さまのような整った形に心奪われてしまいます。

15062110.jpg


耳を澄ませば、しとしとと音がする中で、
それぞれが思い思いにシャッターを切られていました。

15062111.jpg


再び雨も強くなってきたので、和室にてお待ちかねのおやつです。
今日は、スエさんの中で起こっている空前のアイシングブームに乗って、
世界で一つだけのケイワタバコクッキーが登場です。

15062112.jpg

このアイシング、ただの飾りと見せかけて、
実はレモンクリームが密かに隠れていて、食べれば
爽やかな味が広がります。むしむしとした梅雨時にぴったりの一品でした。
みなさん、ぺろりと食べてしまいました。


15062113.jpg

次回みちくさ部は、7月19日(日)に開催。
「大暑を涼しく飾る、白い花々」と題しまして、
ヤブミョウガ、ハエドクソウ、オオバギボウシなど暑さに負けずに咲く、
涼やかな花を観察していきます。
http://takaranoniwa.com/program/workshop/michikusa.html