9.27みちくさ部は、めくるめくキンモクセイの香り

みちくさ部長・清右衛門です。

庭を巡れば、すこしよろめいたヒガンバナ。
一斉に咲き、一斉に散る妖しさは特別なものがあります。
あまりに目立ちすぎて、通り過ぎてしまうほどでした。

15092701.jpg

さて、香りをテーマにした本日のみちくさ部。
ちょっと外出して、源氏山ハイキングコースへ。
あらわれたのはふわっとしたこのお花。

15092702.jpg

フジバカマに近いヒヨドリバナです。
そこに着くなり「あ、なんか匂いがする!」と
お気づきのかたもいらっしゃいました。
辺りにただようヒヨドリバナの淡い香り。
この仲間の芳香は、入浴や洗髪の際に香りづけに使われたほどです。

道端では、強烈なトゲを持つイラクサが花ざかり...

15092703.jpg

地味な花が多いこのグループですが、たからの庭の周りには
数えてみたら9種類もありました。
イラクサ、カラムシ、ヤブマオ、コアカソ、トキホコリ、ミズ、
ヤマミズ、アオミズ、カテンソウ、です。

それだけ長い時間開発されずに維持されて来た証拠でもあります。


15092703_2.jpg

いい匂いのあとは、ちょっとくさい?匂いも嗅いでいただきます。
コクサギです。ミカン科なので、ミカンの葉のような匂い。
せっかく強烈な名前なのに、
みちくさ部では隠れ(?)ファンが多いのが玉にキズ...
「うわ、くっさ!!」というリアクションは実はありませんのです。

15092704.jpg

庭の入口に戻ると、早くもチャノキが咲いていました。
ちょっと気が早いかな??

15092705.jpg


ふと、目を落とせばちょっとした発見がありました。
シダ植物の「前葉体」が見られたのです!!!
覚えておいでですか? 中学校や高校の生物で、ちらっとやる、
シダ植物の生殖世代のことです。ハート形の。

たぶん、9割以上の方は見たことがないと思いますし、
この興奮がもうひとつ伝わらないと思いますが(笑)
この名前だけは知られているけど、まず見たことがないという
前葉体が、入口に積んである石にびっしりついて、
一部は本葉が発芽していました。やった!!!

15092706.jpg
※ びっしり生えてるようす


15092707.jpg

※ 一つ抜いてみたようす。シダっぽい葉が本葉、根元のひらひらしたものが前葉体。


この前葉体が雨などで水に浸からなければ、シダ植物は受精できず、
子孫を残すことができません。水が必要な分、種子植物よりも不利...
なのですが、代わりに石の表面のような過酷な条件に
居場所を見つけて暮らしているのです。


庭に戻ったら、ふわっとキンモクセイの香り。
どういうわけか、雄株しか日本に来ていない中国原産の樹木です。
秋分に君臨すると言っても過言ではないほど、
日本人の季節感に深く根を下ろしています。
感じで書くと「桂」。日本ではカツラに当てますが、
もともと香りの佳いという字です。

15092708.jpg


高枝切りバサミで、ひとえだ切ってとくと鑑賞。
これ以上ない、というタイミングでした。
これより早ければ咲き揃っておらず、これより遅ければ散っています。
もちろん、散り姿も美しいのですが、
このちょうど咲き切ったところに巡り会うということは、
実は日常に潜む奇跡の一つです。

何が起こるか分からないこの時代に、
これに気がつくことの僥倖を思いました。

それにしても盛りのキンモクセイは
「植物じゃないみたい」という名言も飛び出しました。
確かに。プラスティックな美しさがあります。
ついでに、ニットの帽子に盛ってみました(笑)

15092709.jpg


さて、あっという間に時間は過ぎ、
待望のおやつタイムです。スエシェフの指令は、
「スコーンにはらっとシロップをかけるべし」とのこと。

150927010.jpg

あら、美しい! たからの庭のキンモクセイで作ったシロップを
まとったスエシェフ特製のスコーンです。
はらっと、だったはずが「シロップ増し増し」の方も...
今回もおいしくいただきました。


災害や騒乱が絶えないですが、一箇所に7種類も同居していたり、
毎年律儀に季節を刻む植物ってなんかやっぱりすごいな。
敵わないなと、しみじみ思った十五夜のみちくさ部でした。

150927011.jpg


次回は、10月25日(日)です。
ますます深まる秋、鎌倉の花の青さをテーマにお送りします!
http://takaranoniwa.com/program/workshop/michikusa.html