長月の精進料理(入江亮子)

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今月の精進料理教室は、9月9日、重陽の節句の日でした。旧暦ですと10月で、ちょうど菊の時期なので菊の節句ともいわれます。
重陽の節句は、今ではご存じない方が多いのですが、かつては五節句の中でも最も盛んだったといわれています。
中国では、奇数のことを陽の数、偶数を陰の数といい、陽の最も大きな数「9」が重なることから9月9日を「重陽」としました。この日は陽のパワーが強すぎるということから、邪気を払う行事が行われていたそうですが、後年、お目出度い日という考えに変化し、無病息災や長寿を祝う節句へと変化していきました。
今月はせっかくの重陽の節句ということでしたので、出早めの菊を使った和え物を。また群馬の名物料理「茄子の蒲焼丼」、夏の名残の素麺を使った千筋かんなどを作りました。どれも簡単に作れますので、ぜひ試してみてください。


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1.茄子の蒲焼丼 2.オクラととろろ昆布の味噌汁 3.福袋煮 4.千筋かん 5.梨と菊花のレモン酢和え


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1.茄子の蒲焼丼
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茄子の蒲焼は群馬の名物料理。鰻そっくりにバーナーで焼き上げたその姿は鰻そのもの。むしろこちらのほうがあっさりしていて好きな方もいたりします。たからの庭でも豆腐や牛蒡を入れて鰻もどきを何度がやりましたが、茄子で作る鰻もどきも秀逸です。
今回は獅子唐やバターナッツ南瓜など野菜を添えて、味変も楽しんでいただくようにしてあります。
タレの比率も記してありますが、甘口がお好きなら、砂糖も同割りで作っていただければと思います。
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材料:米500CC,水600CC、茄子各1・1/2本、太白胡麻油少々、獅子唐各2本、バターナッツ南瓜100g、もみのり適宜、粉山椒少々
たれ:酒・味醂・醤油各50CC,砂糖大2(酒1:みりん1:醤油1:砂糖0.5)

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1)米は洗ってざるにあげ、浸水して15分はおいて炊き、10分たったら天地返しをしておく。

2)たれの材料をまぜておく。@大2程度あればよい。

3)茄子は皮をむき、5分程度蒸し器で蒸してから、半分に切って内側をフォークや包丁のみねなどで伸ばしておく。蒸し器がなければ、電子レンジで500Wで3分(途中場所を入れ替えて)でもOKです。
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4)フライパンに油を少し引き、獅子唐、食べやすい大きさに切ったバターナッツ南瓜を焼いたあと、拭いてさらに油を足して茄子を入れて表裏中火の強で焼き目をつけ、タレを2/3入れてからませ、フライパンから出し、タレだけを少しつめる。
フライパンにタレと一緒に茄子を入れっぱなしにしてしまうとたれを全部すってしまい、塩辛くなってしまうので、注意してください。
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5)どんぶりにご飯を盛り、海苔をしきつめ、4)の茄子を敷き、獅子唐、バターナッツ南瓜を添えて、詰めたタレをかけ、好みで粉山椒を振って食べる。
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2.オクラととろろ昆布の味噌汁
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オクラもとろろ昆布にも食物繊維が沢山含まれているので、整腸効果抜群のお汁です。しかも味噌という発酵食品と一緒にとれば、さらに血糖値の急激な上昇も防止にもいいですね。ま、そんなことを考えなくても素直にほこっと美味しいお味噌汁として食べていただければよいのかなー。

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材料:オクラ4~5本、とろろ昆布適宜、水出汁700CC、信州味噌大3、七味適宜
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1)オクラは小口に切っておく。

2)水出汁に入れて火にかけアクをとって味噌を加えて、碗にもり、とろろ昆布をちぎって加え、好みで七味を振る。
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3.福袋煮
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油揚げにたっぷり野菜を入れて煮る、優しい甘さの煮物です。精進料理ですと、各々の野菜たちの味わいがこんなにもあったのかと、ちょっと感動すらしてしまう、大好きな煮物です。お餅を入れておでん種にしていただいてもよいかと思います。また具は多めの分量になっていますので、残ったら炊きこみ飯にしたり、ごはんと炒めてチャーハンにしたり、なさってください。

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材料:油あげ各1/2枚、干瓢適宜(10gくらい)、人参30g、牛蒡40g、干椎茸2枚、白滝100g、えのき1/2パック、大豆ミート(乾燥)大2、練り辛子適宜、アスパラ各8cm
煮汁:水出汁+干椎茸出汁少々=2C、砂糖大1・2/3、醤油大2、酒大1

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1)油揚げは箸でしごき、1/2に切って、ゆがいてざるにあげておく。
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2)干瓢は水でさっと洗ってから塩でもみ、熱湯で5分程度ゆがく。
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3)白滝はゆがいて食べやすい長さに切っておく。

4)人参・干椎茸は千切り、えのきは石付をとって3cmに、牛蒡は笹がいて水にさらしておく。

5)大豆ミートはお湯で戻しておく。
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6)2)~5)を混ぜて1につめ、干瓢でしばる。
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7)煮汁において落とし蓋をして10~15分煮含める。
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8)器に盛り付け、汁を大2程度張り、ゆでたアスパラを4cmに切って添えて水溶きからしを垂らす。
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4.千筋かん
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江戸懐石近茶流で習った料理を20年ぶりに精進料理にアレンジして作りました。
夏の名残の料理としても涼しげです。
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材料:素麺1把(50g)、青柚子適宜、枝豆@3さや程度
A:水出汁300CC、醤油・砂糖各小1、塩一つまみ、粉寒天小1(2g)
かけ地:水出汁1/2C、醤油・酒・味醂各大1、塩少々

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1)素麺上部を縛り、固めにゆでて、流水でしめて笊にあげる。
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2)流し缶の長さに切って並べておく。
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3)Aに粉寒天を入れてよく混ぜてから火にかけ、沸騰から3分は煮て 2)に流しいれ、冷やし固める。
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4)かけ地の材料を火にかけさっと煮て、冷やしておく。

5)枝豆は茹でてさやから豆をとりだしておく。

6)3)をバチに8つに切って器にもり、かけ地を回しかけ、枝豆をちらし、青柚子を振る。
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5.梨と菊花のレモン酢和え
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重陽の節句は旧暦では菊の季節ですので、菊の節句ともいわれていました。節句料理にも菊が大活躍です。
菊をゆでるときは、必ず酢を加えてくださいね。発色がよくなり、黒ずみが防げますよ!また絞らないことも大切です。絞ってしまうとあとからほぐれません。この2点、気を付けて調理してくださいね。
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材料:梨1・1/2個(@1/4個)、菊花数輪、レモン果汁大2程度、生姜少々、砂糖小2、塩少々
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1)菊花は熱湯に酢を入れてさっとゆでて、水にとり色止めしたらざるにあげておく。
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2)梨は皮をむき、しんをとって食べやすい大きさに乱切りする。

3)生姜は皮をむいて、みじん切りにしておく。

4)ボールにレモン汁、砂糖、塩を入れてよく混ぜたところに、1~3を入れて和える。冷たく冷やすとなお美味しいですよ。
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▼空羽~kuu~の9月のお菓子は重陽にちなみ 『千代見草』でした。千代見草とは菊の別称です。美味しいのはもちろんですが、格調高い意匠が素晴らしかったです。来月も楽しみです。
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レシピ&原稿:温石会 入江亮子

(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 2020年9月の献立より)

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